離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 ――え?

 普段の彼からはまったく想像もできない強引さで、彼は私を抱き寄せたまま歩き始める。途中で脱ぎ掛けだった靴は脱げてしまった。驚き過ぎて声も出せないまま、私はひとつのドアの中に連れ込まれた。

 ずっと紳士的だった和也さんのいきなりの暴挙に、頭の中が追い付かない。ぼふっと背中が柔らかなスプリングに受け止められる。和也さんが私の腕に絡まってずり落ちかけていたトートバッグを取り上げて、床に置いた。

 それからいきなり、私の両側に手を置き覆い被さるようにして天井を隠してしまう。


「ひゃっ」


 その拍子にスプリングが揺れる。一瞬だけ目を閉じて、また大きく見開いた。ようやく状況判断が追い付いて、今、自分がベッドの上に押し倒されているのだと理解した。

 しばらく、沈黙のまま見つめ合う。彼の顔は、笑っているけど目は真剣だった。しかし、これまでずっと紳士的だった彼に、まさかこんな暴挙に出られるとは思わなかった。

 もしや、既成事実でも作ってしまおうというやつだろうか。だけど今時、そんなことで離婚を止めようとは思わないのに。

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