離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「えー、だって……社長が秘書として傍に置き始めたのって富樫さんが初めてって聞きましたよ」
「秘書なんだから、傍で仕事して当たり前です」
仕事が増えてさすがに女性は雇いづらいなどとは言っていられなくなり、エンジニアの中にも女性社員が入ったところで事務要員も募集した。
私が秘書の仕事だけに専念できなかったのは人材不足のせいで、会社が業績を上げて雇用を増やせたのがたまたま今だっただけのことなのに。
「佐伯さんはそういう話、好きですね」
「一応、女子ですから」
イケメン社長にのぼせ上って、仕事にならないようなタイプでなかったのはありがたい。
佐伯さんのニヤニヤ疑いの目を適当にあしらって、本来の仕事のために社長の執務室に戻った。
終業後、いつもの場所。と言われても、社長の仕事が終わらなければ私の仕事も終わらないわけで。つまり、彼はわざとあんなことを言ったのだ、佐伯さんに聞こえるように。
ふたり一緒に会社を出て、「いつもの場所」であるカウンター席が主である小さな小料理屋。彼は夕食によくこの店を使う。私が一緒のときもあるし、滝沢さんとのときもある。本当に、私が特別ということでもなく、端に酒を飲む相手が欲しい時に滝沢さんが用があれば私、というだけのことで。なのに、目撃でもされたのか社内で噂が独り歩きしている。
「社長、あの噂、否定する気ないでしょう」
「ん?」
手酌で御猪口に日本酒を注ぐ横顔を見てそう尋ねると、瞳だけが動いて私を見た。それから小さく口角を持ち上げる。その表情だけで、わかってしまった。
「秘書なんだから、傍で仕事して当たり前です」
仕事が増えてさすがに女性は雇いづらいなどとは言っていられなくなり、エンジニアの中にも女性社員が入ったところで事務要員も募集した。
私が秘書の仕事だけに専念できなかったのは人材不足のせいで、会社が業績を上げて雇用を増やせたのがたまたま今だっただけのことなのに。
「佐伯さんはそういう話、好きですね」
「一応、女子ですから」
イケメン社長にのぼせ上って、仕事にならないようなタイプでなかったのはありがたい。
佐伯さんのニヤニヤ疑いの目を適当にあしらって、本来の仕事のために社長の執務室に戻った。
終業後、いつもの場所。と言われても、社長の仕事が終わらなければ私の仕事も終わらないわけで。つまり、彼はわざとあんなことを言ったのだ、佐伯さんに聞こえるように。
ふたり一緒に会社を出て、「いつもの場所」であるカウンター席が主である小さな小料理屋。彼は夕食によくこの店を使う。私が一緒のときもあるし、滝沢さんとのときもある。本当に、私が特別ということでもなく、端に酒を飲む相手が欲しい時に滝沢さんが用があれば私、というだけのことで。なのに、目撃でもされたのか社内で噂が独り歩きしている。
「社長、あの噂、否定する気ないでしょう」
「ん?」
手酌で御猪口に日本酒を注ぐ横顔を見てそう尋ねると、瞳だけが動いて私を見た。それから小さく口角を持ち上げる。その表情だけで、わかってしまった。