翼のない鳥


「・・・じゃあ、ほんとのほんとに、だーれにも知られてない、律クンだけの秘密ってこと?」

そこで初めて永遠(とわ)くんが口を開いた。

今までずっと黙ってたからね。
何気に存在忘れてたかもしれない。


楪 永遠 (ゆずりは とわ)くん、生徒会書記。
ふわふわした青緑の髪に、圧倒的女顔。

私が悲しくなっちゃうくらい、かわいい。

正確はわりと尖ってて、茜くん曰くツンデレらしい。


「そういうことだねえ。・・・面白いだろ?」

「相変わらず悪趣味だね、アンタ。」

「おや、褒め言葉?」


にこにこ、と。

笑って言う茜くんに永遠くんは冷たい視線を浴びせてまた視線をはずした。


「勝手にすれば。」


永遠くんがツンデレというものならば、私はツンの方しか見たことがない。

流星くんによれば、永遠くんはツン95パーセントのデレ5パーセントらしいから。


いつか、デレとやらも見てみたい。



・・・ツンデレって言ったら、律はどうなんだろう。

んー、知らない人にはとことん冷たい、けど。
一度懐にいれた人にはとことん甘い。


・・・これもツンデレ?

いや、普通に警戒心強いだけじゃ・・・?




「・・・あ。」


ポツリと声をおとした私に視線が集まった。


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