病んでる僕と最強の勇者たち
「あそこに階段があるぞ。

あの階段を上っていこう」



マギーがそう言って、広々としたフロアーの隅に見つけた階段を指差した。



「いよいよダーギルに会えるんだね。

本当に強いのかなぁ?

リリーの魔法ならダーギルを倒せるよね」



リリーはラスボスに近づいているにも関わらず、まるで緊張感もなく楽しそうだ。



僕たち四人はたった一つの目的のために、パーティを組んで集まった。



その目的は、闇の魔王、ダーギルを倒して、ベルミータ国に日の光を取り戻すこと。



僕がどんなにこの仲間たちと一緒にいたいと思っても、今さら僕たちは大切な一つの目的を覆すことなんてできやしない。



僕はみんなの顔を見回し、決意を固めてこう言った。



「もうすぐ僕たちの戦いは終わるよ。

闇の魔王、ダーギルを倒せば、たくさんの人たちが救われる。

僕たちの戦いはその目的のためにあったんだから」



みんなが笑顔で僕の言葉にうなずいてくれた。



出会ってからまだそんなにときは経っていないけど、僕たちには固く結ばれた絆がある。



そしてブライアンがまた先頭に立って、僕たちは走り出した。



闇の魔王、ダーギルが待つお城の最上階を目指して……。
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