秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
「でも、相手はヤブウチホールディングスの社長令嬢ですよね。私なんかが太刀打ちできる相手じゃないし、それに私と付き合う前までは、彼女と結婚する気でいたんでしょ? 彼女だって」
「いろいろ聞いたんだな。けど、彼女だから結婚する気でいたわけじゃない。他にも何人か候補は上がっていたから、そのうち誰かとは結婚するんだろうなと思っていた程度だ。俺にとって相手は誰でも、大して変わらなかったのに、穂乃果は違う。穂乃果だけ特別なんだ」
私を見つめる眼差しが甘さを帯びた。頬をなぞった指先の熱に胸が高鳴るけれど、自分の中にある納得いかない気持ちは無視できず、私は翔悟さんの胸を軽く叩いた。
「そんなこと言って! 翔悟さん、彼女と仲が良さそうだったじゃないですか。お洒落なレストランで食事したり、さっきも彼女を車に乗せて」
文句にひどく驚かれたため逆に気まずくなり、すぐに私は冷静さを取り戻した。
「この目で見たんです。一昨日は会長と車の中から、さっきは翔悟さんの家に向かっている途中で、偶然に。本当にタイミング悪くてやんなっちゃう」