秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
翔悟さんは素直に話してくれた。だから今度は私の番だと覚悟を決め、彼の腕の中からそっと抜け出す。テーブルの上に置いたバッグをどけて、下敷きになっていた二枚の紙を掴み取った。
「……な、なんだよこれ」
手渡した誓約書に視線を落とした瞬間、翔悟さんの顔が険しくなった。
「一昨日の朝、会長に呼び出されたんです。話している途中で具合が悪くなってしまって。それで病院に行って」
弾かれたように彼の目が私に向けられる。不安や緊張をため息を吐き出してから、私はその先を言葉にした。
「実は私……お腹に赤ちゃんが」
目を大きくさせたまま、翔悟さんが私を見つめている。何も言ってくれないから私も黙るしかなくて、吐き出した不安が大きさを増して自分の中に舞い戻ってくる。
不意に、翔悟さんが嬉しそうに笑った。彼のここまでの笑顔を見るのは初めてで、不安を吹き飛ばすように胸が熱くなる。
「驚いた。……けどすごく、嬉しい。ありがとう穂乃果」
ぎゅっと抱きしめられた。耳もとで囁かれた声音は少し震えていて、喜んでくれているのが痛いくらいに伝わってきた。