秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~


「すぐにでも籍を入れて、俺と夫婦になってくれ」

「……はいっ!」


額と頬、それから唇にキスを受け、幸せで笑みを浮かべる。最後にもう一度、私を抱きしめてからゆっくりと体を離し、翔悟さんは誓約書へと目を戻した。


「それでこれか信じられない」


深いため息をついてから、彼の眼差しが再び私に向けられる。それはさきほどよりも真剣で、私は思わず身構えた。


「俺は今から会長に話をつけにいく。穂乃果はどうする? あまり無理をさせたくないけれど、一緒に行くか?」


これは二人の問題だから、私も一緒に立ち向かいたい。決意と共に頷くと、翔悟さんが互いの手をしっかりと繋ぎ合わせた。


「大丈夫。俺がそばにいる」


心強く響いた言葉に、涙がこみ上げてくる。どうして私はこの手を離そうとしていたのだろうか。もう揺らがないと心に誓って、翔悟さんと共に歩き出した。



翔悟さんの車に乗って向かったのは、蛭間邸だった。敷地内に入ったところから、都心の一等地に建つ和風の豪邸に圧倒されるも、今からこれでは会長に立ち向かえないと、気持ちを強くする。


「お邪魔します」


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