秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~

じろりと見据えられ、私は唇を引き結ぶ。言い返せないけれど、目はそらさずにいると、呆れたような顔をし、会長がため息をついた。


「ヤブウチは魅力的でしたが仕方ないですね。他にも何人か、ヒルマの力になれる企業のお嬢さんがいますから、声をかけてみるとしましょうか。すべてはヒルマ物産のためです。あなたも父の跡を継ぐつもりでいるなら、甘い考えは捨てなさい」

「待ってください!」


私は大きな声で、会長の言葉を遮る。甘い考えと言われるだろうけど、黙ってもいられなかった。


「私は確かに何も持っていません。けど、翔悟さんを支えることはできます。何もないからこそ、翔悟さんに自分の全てを注げます」


私の彼に対する思いを少しでもわかってもらいたい。だから行動で示そうと、私は手を伸ばして翔悟さんと手を繋ぎ合わせ、彼に笑いかけた。

呆れ顔だった会長の顔に、僅かだけれど気まずさが混じり出す。戸惑うように会長が私から視線を逸らし俯くと、翔悟さんが静かに喋り出した。


「他の力を借りないと得られないなんて、それこそ情けないだろう。お望みなら、俺が自分の力で契約をもぎ取ってきてみせるが」


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