秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
翔悟さんからあまり我がままを言われたことがないため、思わず首を傾げる。
「いったいどんな我がままを言ったの? レストランは予約でいっぱいなのに、席をひとつ開けろとか?」
「いや。レストランはキャンセルが出てちょうど空いてたから、ありがたく予約を入れさせてもらったよ」
「そ、そうよね。翔悟さんはそんな我がままは言わないよね」
車を降りて翔悟さんと並んでホテル入り口に向かうも、そのちょうどその手前でホテルの関係者らしき男性が外へと出てきた。
「お待ちしておりました。ご案内します、こちらへどうぞ」
完璧な笑みを浮かべて綺麗な角度でお辞儀をしてから、男性は先導して歩き出した。彼はなぜかホテル内には入らず、「足元にお気をつけてつけください」と私にひと声かけ、そのまま遊歩道を進んでいく。
どういうことかと翔悟さんに目で問いかけるも、彼は口角を僅かに上げるだけ。教えてもらえないまま、私は仕方なく彼と共にホテルマンを追いかけた。
「こちらです」
案内された先にあった建物に、驚きで目が大きくなる。ホテルマンが鍵を開け、大きな扉が開け放たれた。灯がともされ、視線の先に広がったチャペルの美しい光景に感嘆の声を上げる。