秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
期待のこもった眼差しを受け、すぐさま翔悟さんのお弁当も作る約束を交わした。しかし、普段自炊しない翔悟さん宅の冷蔵庫には、お弁当に材料になりそうなものはなく、昨晩のスーパーへの買い出しはこのためだった。
「忘れるわけないだろう。昼食が楽しみという気持ちは初めてだ。ありがとう穂乃果」
見つめ合う瞳の距離が一気に近づく。額に柔らかな口づけ、続けてきつく抱きしめられ、幸福感がじわり心の中で広がっていく。私は微笑んで、力いっぱい翔悟さんを抱きしめ返した。
朝食後、翔悟さんとは別々に家を出て、私は電車で会社に向かった。
通勤中はもちろんのこと、仕事中も時々上の空になる。彼を実家に呼び出したのは母親であっても、きっと待ち構えている中に祖母である会長の姿もあるだろう。昔翔悟さんから、会長は実家の離れに暮らしていると聞いた覚えがあるからだ。
どんな話をしたのだろう。いくら考えても答えは見つからないが、昨日鉢合わせたあの瞬間が、どうしても頭から離れない。そして同様に心を重くするのが、今更ながら気になり始めた女性の存在だ。