秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
「……ずっと隠しててごめんね。実はそうなの。私、お付き合いしている人がいるんだ」
思い切って打ち明けると、沙季の表情がパッと明るく変化する。
「それならそうと隠さずに言ってくれたら良かったのに! で、彼氏どんな人?」
沙季の声が大きいのをうっかり忘れていた。声高に響いたそのひと言に周りのみんなが反応し、視線がチクチクと突き刺さってくる。
「ど、どんな人って、……とっても素敵な人だよ」
小声で返事をすると、沙季はハッとし、何かをチェックするかのように辺りを見回す。そして私に体を寄せて、先ほどよりは声を潜めてもう一度問いかける。
「もしかして社内恋愛? この中にお弁当の中身が同じ男性がいたりして」
いるなら白状しなさいよと眼差しで問い詰められたけれど、相手はうちの会社の副社長ですとは、やっぱり言いづらい。
曖昧に笑ってみせると、沙季は私のお弁当を凝視し、「ちょっとお弁当の中身見て回ってくるわ」と言って、昼食中の男性社員の近くを彷徨き始めた。
副社長室まで行けば同じお弁当の中身を食べている人を見つけられるだろうけど、さすがにそれは無理だろう。さりげなくお弁当をチェックしている沙季の姿に苦笑いを浮かべた時、上着のポケットの中でスマホが振動した。