秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
『ありがとう。お弁当、美味しかった。ご馳走さま』
一瞬で、翔悟さんからの短いメッセージに心が温かくなる。
実家でどんな話をしたのかも気になったけれど、そんな些細な事柄は、こうして他愛無い会話ができる幸せに覆い隠される。
この幸せが続きますようにと願いを込めて、『どういたしまして! 機会があったら、また作らせてください』とメッセージを返した。
それに彼が『声が聞きたい。仕事が終わったら電話する』と返事をくれたのは、私が残業を終えたちょうどその時だった。
翔悟さんはまだ終わらないのか大変だなと思う一方、なんだか彼に甘えられたような気分になり、疲れが吹き飛んでいく。
『お待ちしています。お仕事頑張って』。それだけ送り返して、私は机上を片付け席を立った。
社内に残っているのなら顔を見てから帰りたくなるけれど、気軽に会いに行ける相手ではないのも重々承知しているため、もどかしさをぐっと飲み込む。
エレベーターで一階に降りると、副社長である彼が使用している高層階用のエレベーターの方へと目が向く。これは翔悟さんと付き合い始めてから出来た癖のようなもので、毎回あの扉が開いて彼が現れないかと期待する。