好きなんだから仕方ない。
どちらにも信頼を置いている私からしたら悲しい話だけど、よく知らない人を信じろと言う方が無理な話だものね。

「どういう事ですか?」

「昨夜、俺の相棒がここに来た。なかなか俺が帰ってこない時、野に放せと言った獣だ。エイミア様に仕えていた者なら俺の許へ案内してくれると知っている。早くて明日、少なくて三人。ここに来るはずだ」

「信頼出来ると言い切れますか?その人たちが裏切らないと」

「あぁ。一人はカナケトと言うんだが、エイミア様に仕えていた者の一人で昔拉致の被害を受けて未だに両親に会えていない。だから同じ境遇であるその子供たちには手を出さない。俺とクロエラとは仲間以上の絆がある。俺たち同様、エイミア様の事を家族以上に愛してる。お前の事もエイミア様の親族だとすれば変な行動を起こさない限り手は出さない。もう二人は俺たちを父親の知り合いとしか思っていない。だから支障がない程度に手助けするだけで関心も無いに等しい。馬車も手に入る事も考えると悪い話ではないはずだ」
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