好きなんだから仕方ない。
出会った部屋に戻ると彼女はまた緑と白の光をまとった風に包まれて妖精のような姿に戻った。

「な、なぁ。どっちが本来の姿なんだ?こっちの方が楽とかか?」

「この部屋、長くいるには窮屈でしょう?でも、自分で大きくするほど気になるのかって言われたらそうでもないから」

「自分が小さくなれば済む話・・・だと?」

「うん。それに、この体を維持させるのが程好く魔力を使い続ける良い運動なの。後は小さい分、移動距離が長くなるから体力も付くし物も倍以上になるから力も付く。この大きさが一番良い事が多いから」

なるほど。本当に自分では気付いていなかったんだな。自分が酷く悲しみ、俺に話し掛けてきていたって事。通りで話が噛み合わなかったり不思議そうな表情で見つめられたりする訳だよな。
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