好きなんだから仕方ない。
エミィ様はその時の事を俺に持ち掛けてくる可能性が高いと説明してくれた。前世は彼らと共に神に反する存在だった事を使い、引き抜いてこようとしてくると。

「俺が魔界の使いだった?」

「昔の話だよ。でも、あなたは私を神々の許へ帰そうと一番頑張ってくれていた。それも一番正しい方法でね。ずっと私の事を第一に考えて自己犠牲は惜しまなかった。誰が何と言ってもこの事実は変わらない。だからあなたは生まれ変わって私とここで出会えた。実際に思い出したり責められたりすれば罪悪感が出てきて揺らぐかもしれない。でも、あなたが生まれ変わってまで私のそばにいてくれた事や皆がいる事を忘れないで。あなたは今、ヅヌダクとしてではなくガドウとして生きている事を忘れないで」

「心配すんな。俺が仕えているのは今も前世もお前の魂だ。絶対に何とかする。安心しろ。ただの魂が神の住み処に入れば消滅する事くらい俺だって分かってる。俺の生まれ変わった理由が何であったとしても、お前を泣かせるような事はしねぇよ」

確信も確証もない。罪悪感なんて感じるとしか思えない。
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