好きなんだから仕方ない。
となると、クロエラさんはどっちだったんだ。

「あ、そいつは例外だ。願った魂は異性なんだけどな、全然なびかなくて逆に苦手意識を持ち始めている。あの好意を互いに寄せていながら恥じらいで空回りして喧嘩してってあれじゃないぞ?本当に単純に拒んでいるんだ。そもそも、恋愛感情という物を持ち合わせていないらしい。過去に遡っても可能性のある未来を見てもこのまま恋もしない時間ばかりだ」

「仕方ないよ。二人はエミィを覚えているんだもん。クロエラさんは恋なんて出来ないよ」

「ん?トワ、何か知っているのか?」

神は動く写真のような、映像のような状態で時間を遡ったり進んだりする事が出来る。エミィ様がいつも出しているから俺たち使いでも見たり動かしたり出来るけれど、エミィ様がそうしていないと使いは見る事も触る事も出来ない。
ずっと触れるようにしてくれていたのはエミィ様が自分を忘れてしまった二人を見ていられないから任せているのだと思っていた。
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