怪盗ジャック〜月の輝く夜に〜
少年の名前はジャック。平民の中でも貧しい家で母親と暮らしている。そんな彼の唯一の楽しみが巨人の家に侵入して宝物を盗むことだった。

「どうせこいつら、少々盗んだところでわからないし。そもそも俺らの金で好き勝手やってるんだから別にいいよね?」

ジャックは父が貴族たちに殺された頃から復讐のように盗みを働いている。見張りだらけの巨人の屋敷に侵入し、宝物を奪うなどどんな賭け事よりもスリルがある。そのため、やめられないのだ。

「盗みなんてしなくても、牛の乳を売って生活すればいいだろ。こんなことはおやめ」

母親はそう何度もジャックに言うが、ジャックは聞く耳を持たない。もう何度も盗みに入っているため、盗みが悪いことだという感覚もないのだ。

「それに、俺が盗んだ宝物は貧しい人たちで分け合ってる。俺がやってることは人助けさ!」

ジャックはそう言い、宝物が眠っている部屋まで走っていく。夜空には大きな月が浮かび、ジャックを照らし出していた。
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