ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
一般の学生に聞くしかないかと考えていると、ふわりとあくびが出た。
その瞬間、メロディ先生と目が合い、ロザンナはしまったと狼狽える。
「ロザンナ・エストリーナ。授業は退屈ですか? それとも自分には必要ないと?」
まるで心を見透かされたかのようでドキリとする。
「巷では女神ともてはやされているようですが、ご自分でもそう思っているなら驕りですよ。ここにいる誰もが、もちろんあなたも、まだまだ妃として物足りない。あくびなんていう気の緩んだ姿などもっての外です。次回までに反省文を提出すること」
ちらちらと周りの視線が突き刺さる中、ロザンナは体を小さくさせて「申し訳ありませんでした」と謝罪した。
自分を女神などと思ったことは一度もない。授業に対してやる気が起きないのは飽きた以外にも理由ががある。
それは、アルベルトが選ぶのがマリンだと知っているから。
しかし思いのまま反省文に書く訳にいかず、何を書けば良いのやらと思いを巡らせていると、前方の席に座していたマリンが肩越しに振り返った。
目が合ったのはほんの一瞬だったが、ロザンナの心に恐怖を植え付けるのに十分だった。