ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

薄々、この人生の自分は彼女によく思われていないのではと感じていたが、突き刺さった鋭い眼差しでそれが確信に変わり、どうしてと焦りが生じる。

九回目の最後こそあんな態度を取られてしまったが、基本、彼女はロザンナに優しかった。

何が違うのかと考え、すぐにアルベルトの顔が思い浮かぶ。

彼の様子もだいぶ違う。これまでは自分から行かないと彼と話せなかったというのに、今回はあちらから寄って来るのだ。

その様子をマリンの耳に、もしくはタイミング悪く目にしていたとしてもおかしくない。

彼女からライバル視されているのかもと考え、少しばかり虚しさを覚えた。

想像が当たっているとなると、今までは恐れるに足りない存在と見なされていたということになるからだ。

とにかく、彼女の嫉妬は危険だ。あの睨みようだと、一年も経たずに最期を迎えることになりかねない。

ロザンナはため息とともに、机に突っ伏した。平和に生き延びるためにも、アルベルトが一日でも早くマリンに恋に落ちるのを願ってやまない。

「ロザンナ・エストリーナ!」と再びメロディ女史から大声で名を呼ばれ、ロザンナは「はい!」と勢いよく身を起こした。

< 122 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop