ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

前方に陣取っていた女子生徒の三人が、自分を見つめてひそひそと話しているのに気づいてしまったからだ。

彼女たちの表情はリオネルのように陰気で、好意的な会話がされているとはとても思えない。

ざっと室内を見回し、ロザンナは小さくため息をつく。

聖魔法のクラスは二十名ほど。そのほとんどが男子で、女子は窓際の三人しか見当たらない。

ルイーズまでとはいかなくても、このクラスでも友人が欲しいと思っていたが難しそうだ。


「今日から学友がひとり増えます。ロザンナさん、自己紹介をしてください」


ゴルドンに話しかけられ、ロザンナは「はい」と返事をし立ち上がる。

しかし、ここに友人を作りに来た訳ではない。気持ちを入れ替え、ロザンナは丁寧のお辞儀をする。


「ロザンナ・エストリーナと申します。皆さんと一緒に学べることを光栄に思います。どうぞよろしく」


試験で勝ち上がってきた優秀な人たちに必死でついていかなくてはと、思いを新たにした。



忙しさに流されるように一ヶ月が経った。

マナーの授業を終えてすぐに、ロザンナは急ぎ足でアカデミーの玄関口へ向かう。

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