ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

授業がほんの少し長引いてしまったためひやひやしていたが、門の近くで待っている馬車を見つけてホッと息をつく。

これから聖魔法の授業の一環として、バロウズ城の目と鼻の先にある魔法院へいかなくてはならないのだ。

他の学生たちはすでに出発し、今頃、魔法院と並列して建っている騎士団宿舎の食堂で昼食をとっているはずだ。

ロザンナは彼らと城で合流することになっている。

ひとりの移動は心細くもあるが、現役の聖魔法師たちを目にできる機会を逃す訳にはいかないため、弱気になってもいられない。

馬車へ向かう途中で、御者が台から降りて馬車の戸口のそばへ移動する。

「ロザンナさんですね」との確認に「はい」と返事をすると、御者は慣れた手つきで戸を開けた。

馬車はとても立派で御者も紳士的。

さすがカークランドの誇るマリノヴィエアカデミーだと感心しながら馬車の内部へ足を踏み入れ、中にいた人物にロザンナは目を大きくする。

そっと身を引いて静かに戸を閉めたが、すぐさま内側から勢いよく開けられた。

姿を現したアルベルト同様にロザンナも口元を引きつらせる。


「どうしてアルベルト様がそこに?」

「俺も城に帰るところだから相乗りだ。早く乗れよ。遅刻するぞ」


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