ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
すると三人はすっと顔を逸らし、前をゆく男子たちに紛れ込んだ。
彼女たちの目に、ロザンナは異質に映っているのだろう。
そして試験に合格した頃から花嫁候補たちにも「花嫁候補を辞退すれば良いのに」と陰口を叩かれるようになっていた。
そんな反応も予想通りねと肩を竦めながら、ロザンナは生徒たちに続いてとある部屋へと入っていく。
大きな部屋の中に幾つかの仕切りが施され、その一つ一つが診察室となっている。聖職服に身を包んだ聖魔導士たちが患者と向き合っていた。
規模や、対する相手が貴族や騎士という違いはあるが、診療所でゴルドンがお年寄りへ親身に寄り添う光景と重なり、ほんの少し懐かしさを覚えた。
たくさんの回復薬を積んだカートがカラカラと音をたてて、ロザンナの後ろを通り過ぎていく。
この後、回復薬の研究室も見られることになっていたのを思い出し楽しみだなと胸を高鳴らせた時、入り口から慌ただしく聖魔導士が室内に入ってきた。
「手が空いている人は、至急第二受付前まで来てください!」
叫ばれたその一言で、場に緊張が走る。
しかし、すぐに動き出せる聖魔法師はいないようで、呼びにきた男性は焦りで表情を歪めた。