ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています


「どうしましたか?」


ゴルドンに話しかけられた男は顔を向け、驚きで目を大きく見開いた。


「ゴルドン元師団長! あぁこれぞ天の助け! 西の森へ遠征に行っていた第二騎士団が集団でいたノームを刺激してしまったらしく、負傷者が多数います。お願いです、どうか力を貸してください!」


ゴルドンはもうひとりの教師へ視線を送ってから「わかりました」と力強く頷き、男性とともに部屋を出て行った。

後を追いかけてリオネルが部屋を飛び出したのを切っ掛けに、男子生徒たちが次々に続く。

「こら待ちなさい! 私たちは待機です!」という教師の声だけが虚しく響いた。

そしてロザンナも、第二騎士団と聞いて兄のダンの顔が浮かび、その場に留まってなどいられない。

パタパタと足音を響かせながら第二受付に近づくにつれ、呻き声もはっきり聞こえてくる。

ノームは地の精霊。普段は大人しいが、怒らせると地中に引きずり込まれたり、鋭い石の礫や棍棒で攻撃してきたりと凶暴な面も持っている。

遭遇したら刺激せずに立ち去るのが常識なのだが、何かしでかしてしまったようだ。

第二受付は非常時にのみ使われる。先にたどり着いた男子生徒たちの間をすり抜けて、ロザンナは息をのむ。

< 135 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop