ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
耳に入る会話から、マリンが昨日アルベルトから贈られたらしい髪飾りをつけてきたらしい。
ダイヤモンドが一直線に並んだもので、高価ではあるけれど凝ってはいないため、確かにつける人を選ばないだろう。
しかし、無難にみえる贈り物も、一つ目に過ぎないのをロザンナは知っている。アルベルトはマリンに好意を抱いてから、次から次へと高価な贈り物をするのだ。
これから毎週のように、贈り物自慢をする彼女を見ることになるだろう。
アルベルトとは必要がない限り会わないと決めて誘いを断り続けていたためか、ここ二、三日、ロザンナの元に彼の使いは姿を見せていない。
警戒までしている相手だと言うのに、こうしてマリンとの仲の良さを見せつけられるとなんだか切なくて胸が苦しくなる。
これで良かったんだと自分に言い聞かせたとき、メロディ先生が教室に入ってきた。
授業の初めに課題を出された者は提出しなくてはならず、ロザンナは筒状にした洋紙を持って立ち上がる。
そっと教卓に洋紙を置いて、声をかけられる前に机に戻ろうとしたが、身を翻した途端「ロザンナ・エストリーナ」と呼ばれ、ロザンナはあぁと天を仰ぐ。