ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
ロザンナは焦りと共に、「わかりました!」と声を上げる。
「皆さんと踊らせていただきますから、順番に並んでください。絶対に喧嘩しちゃダメですからね」
女神の微笑みに、男性は揃って口元を緩めて「はい!」と返事をする。ロザンナは笑顔の裏に警戒心を隠し、最初に声をかけてきた男の手を取ったのだった。
結局ロザンナがダンスから解放されたのは、パーティーの終了時刻だった。
確か最初は五人ほどしかいなかった。しかし、五人と踊り終えてもダンスの順番待ちの列は無くならず、むしろ長蛇の列と化していたのだ。
「はぁ。疲れた」
ふらふらと大広間を出て、寮に向かって歩き出す。びくびくしながらダンスをしていたため疲労感は半端ないのだが、徐々に口元が緩んでいった。
なんとか命をつなぎとめられた。生き延びれたのはこれで三回目で、一度目も二度目も人生をまっとうしている。
だからきっともう大丈夫。この先は、死の恐怖に怯えすぎることなく人生を楽しみたい。
アカデミーを卒業したらまずは何をしよう。
浮かれた頭でそんなことを考えるが、社交界に顔を出して伴侶探しに勤しむくらいしか思い浮かばず、ロザンナはルイーズがちょっぴり羨ましくなる。