ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
彼女は卒業せず、そのままここで魔法の勉強を続けることになっている。
名家の生まれで優秀だったため花嫁候補にあげられたが、本人は色恋よりも魔法薬作りの方に興味があった。
アカデミーに来て早々、アルベルトに学びたいのだと相談し、その後王子の計らいで試験を受けることができ、見事学ぶ権利を得たのだ。
幸せな結婚がしたい。だから伴侶探しは重要だけれど、できたらルイーズのように夢中になれるものを見つけたい。それがあったら人生がさらに楽しくなるはずだ。
新たな今後の目標を見つけ、「よし!」と拳を握りしめて気合を入れる。にこやかに大階段を降りようとした時、「ロザンナさん」と後ろから声をかけられた。
驚き足を止めて、呼びかけてきた彼女……マリンへと、ロザンナは体を向ける。
彼女がアルベルトと一緒にいるのを大広間を出る前に目にしていたため、まさかとふたりで嫌味でも言いに来たのかと眉根を寄せたが、どうやらこの場には彼女しかいないようだった。
じっと見つめ合い数秒後、ロザンナはハッとしお辞儀をする。今はもう、彼女は王子の婚約者。気軽に接して良い相手ではない。