ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
部屋はこじんまりとしているが置かれているソファーや机は上等、窓際の観葉植物の葉も大きく青々として立派だ。
「ここは何の部屋なのかしら」
書棚の前に立って思ったことを呟いた瞬間、背後から答えが返された。
「俺が個人的に使わせてもらっている部屋だ」
驚き振り返るも室内にその声の主の姿は見当たらず、ロザンナは身構える。
「アルベルト様、どこにいらっしゃるのですか?」
「ここだよ」
声を頼りにソファーの前面へと回り込むと、そこにアルベルトが寝転んでいた。なぜ彼がここにいるのか。
「ええと、……メロディ先生はどこに?」
「来ないよ。俺が君をここに来させるように仕向けたんだ」
少しも悪びれることなくさらりと言ってのけたアルベルトへ、ロザンナはわずかに目を細めた。
「体調が芳しくないので帰らせていただきます」
補習でないのならここにいる理由はない。
即座に扉に向かうも、辿り着く前にアルベルトがロザンナの行手を塞いだ。右へ左へと動いても同じように移動され、その先へと進めない。
「退いてくださいませ!」
「嫌だね」
「どうして。……ひゃっ」