ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
「ロザンナさん、毎日補習大変ですね」
マリンだった。声音から不機嫌なのは分かったが無視する訳にいかず、ロザンナは立ち止まる。
「仕方がありませんわ。私は出来が悪いから」
「そうかしら。決して悪くはないと思うけど。こう言ってはなんですけど、ロザンナさんより成績が芳しくない方もいますのに、どうしてその方々は呼ばれないのかしら」
指摘にぎくりとし顔を強張らせたロザンナを、マリンは鼻で笑う。
「今まで嫌々受けているのかと思っていましたけど、もしかして違いましたか? 自ら望んで補習をされているのかしら」
「ほ、本気で仰っているの?」
「えぇ。だって最近のあなたはとても楽しそうに見えるわ。補習を受けたら点数が稼げるように、お父様が話をつけたのかしら。お得意でしょ?」
ちくりと突き刺さった嫌味に、ロザンナは眉根を寄せる。自分だけならともかく、父まで馬鹿にされたことが我慢できなかった。
「そう思うなら、マリンさんも一緒にいかがですか? 補習を受けたくらいで私に追いつかれでもしたら嫌でしょう?」
ほんの数秒、ロザンナはマリンと睨み合ってから、軽くお辞儀をして教室を飛び出す。