ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

ずんずん廊下を進み、角を曲がったところで足を止め、大きく息を吐き出した。

自分を睨み返したマリンは、九回目の最期で怒りをあらわにした彼女と同じ顔をしていた。

煽らず騒がず穏便にあと半年乗り切る予定だったのに、ついカッとなってしまった自分を恨めしく思う。

思い返せば、今回はアカデミーに入学した当初からずっとマリンとぎこちない。

入学前にはもう既に、ロザンナがアルベルトと頻繁に会っているのをずるいと不満を持たれていたのだから、友好関係を築けないのも当然かもしれない。

十回目の人生、この先どう展開するのか見えなくなってきている。

騎士団の紫色のチャームを所持していたあの彼のことをはっきりさせないまま、アルベルトを信じて自分の気持ちに素直に生ても良いのか。

しかし展開が読めないからと言って、不安で雁字搦めになっては意味がない。

この先何が起きても、無事に生き延びられさえすれば、きっと乗り越えられるはずだ。そのために光の魔力を磨き続けてきたのだ。

ここからが本番だと自分に言い聞かせて、ロザンナはアルベルトの執務室に向かって歩き出した。

四階には空き教室しかないため、滅多に人とすれ違うことはない。

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