ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

謀反という不穏な言葉に、ロザンナは目を見張る。自分の父にそんな凶悪な側面があるとはとても思えない……思いたくなかった。


「歴代の王妃に宰相の娘が多い理由はそれよ。アルベルト様があなたを贔屓するのは、宰相様の機嫌を損ねたくないから。宰相が別の誰かに変わらない限り、あなたが花嫁に選ばれるでしょうね。でもあなたは愛されてなんかいない。勘違いしないことね」


ロザンナに動揺が広がる。強く責め立てるマリンの言葉はロザンナに向けられたものだが、連想するのは記憶の中にいるマリン自身だったからだ。

スコットが亡くなり、アーヴィング伯爵が宰相になり、アルベルトがマリンを花嫁に選ぶ。

その言葉通りなら、アーヴィング伯爵の機嫌を損ねたくなくて花嫁に選ばれたマリンは、アルベルトに愛されていなかったということになる。

ふっと九回目の記憶が蘇る。

アルベルトがマリンに求婚する直前に見せた苦しげな顔。まさかという思いがロザンナの心の中で膨らんでいく。

もしかしたらエストリーナ夫妻の死の回避は、ロザンナだけでなく、たくさんの人生に大きな変化をもたらしているのかもしれない。

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