ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
両親の襲撃にアーヴィング伯爵が関わっているとしたら……。軽い吐き気を覚えて口元を手で覆った時、バタンと大きな音を立てて扉が開かれた。
「ロザンナ!」
部屋に飛び込んできたアルベルトが、真っ直ぐロザンナの元へ向かってくる。
「アルベルト様。どうしたのですか、そんなに慌てて」
「さっき廊下でマリン・アーヴィングとすれ違った。ひどくご立腹だったよ」
「すみません。それは私のせいです。先ほどまでここでお話をしていたので」
ふふっと力なく笑ったロザンナの頬をアルベルトは両手で包み込み、不安げに瞳を揺らす。
「顔色が悪いな。大丈夫か」
「えぇ。平気です。……あの、ひとつだけお伺いしても?」
ロザンナはアルベルトの目をじっと見つめて願いを口にする。アルベルトも、穏やかにロザンナを見つめ返しながらこくりと頷いた。