ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
「父は、国王様やアルベルト様の目にどう映っていますか? ……たとえば、王への忠実さがあまり感じられないとか」
「なるほど。ありもしないことを吹き込まれたようだな」
ロザンナの頭を優しく撫でてから、アルベルトが真摯な声で続ける。
「スコットほど王の、そして俺の味方になってくれる臣下はいないよ。誰よりも信頼している」
くれた言葉にロザンナはホッと息をつき、同時に笑みが広がる。
アルベルトはそっとロザンナを自分の元へと引き寄せた。ロザンナは驚きつつも、彼の胸元にそのまま身を預ける。
「きな臭いことがまったくない訳じゃないが、我が国が安定しているのはスコットの存在が大きい」
父のことを誇りに思い、ロザンナが胸を熱くさせた時、アルベルトの声が一段と低くなる。
「……もし、宰相が違っていたらそうはいかなかった」
「あの時、お父様が亡くなっていたらやはり宰相はアーヴィング伯爵が?」
「きっとそうなっていただろう。むしろ忠誠心が感じられないのはアーヴィング伯爵の方だ。俺の命も危うかったかもな」
最後にぽつりと付け加えられたひと言に、ロザンナは勢いよく顔を上げる。