ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
そばにいて、たくさんのことをアルベルトから学んだ。
知識だけじゃない、愛しさの悲喜こもごももは、十回目もこれまでもその多くが彼を想い生またもの。
アルベルトがマリンを選んでも、そこで自分たちは終わりじゃない。
ロザンナが聖魔法と共に生きていこうとする限り、今度は王子と聖魔法師と立場を変えて関係は続くだろう。
愛情が無理ならば、信頼でアルベルトを支えていこう。
彼の心強い味方になれるよう、あと二年しっかり学び続けよう。
ロザンナは目を開き、自分の決意を伝えるように両手をディックへと戻した。ありったけの力を花に注ぎ込む。
眩しいほどに光を放つディックの横に借りていた小説を置く。
そして、ロザンナは心の中にも同じ強い輝きを抱いて、確かな足取りで部屋を後にした。
妃教育のメロディの授業も最後を迎え、アルベルトが花嫁を選ぶ日がやってくる。
「なんだか今日は一段と輝いて見えます」
ロザンナの髪に蝶の髪飾りを差し込んで支度を完了させると、トゥーリはうっとりと微笑む。ロザンナは言葉を返せないまま、ぎこちなく笑い返した。
これまで同様「アルベルト様が選ぶのはマリンだ」と告げて期待を持たせないようにすべきなのに、当日を迎えてしまった憂鬱さからなかなかそんな気になれなかった。