ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
「試験が終わった時点では、間違いなくあなたが一番だった。成績も人格も、すべての面においてアルベルト様の花嫁となるにふさわしいと、妃教育における講師陣の意見は一致していた」
それならなぜと、ロザンナは顔を強張らせる。メロディはその思いに受け止め、真剣に向き合う。
「胸を張ってみんなであなたを推すはずだったのに、……国王様方の御前で意見を述べる時、私以外の講師たちが意見を翻したの。私の声はあまりにも小さくて、マリン・アーヴィングを推すことが講師陣の総意とされてしまった」
「……マリン・アーヴィング」
その名を繰り返すと、マリン本人だけでなく彼女の父であるアーヴィング伯爵の顔まで思い浮かぶ。
意見を翻した原因にアーヴィング伯爵が関わっていたとしたら。そう考えるも、雑念を追い払うようにロザンナは軽く首を横に振った。
「実際、マリンは優秀でしたもの。妻として立派にアルベルト様を支えていくと思います」
メロディは耐えきれなくなったように視線を落とし、ロザンナの手をぎゅっと握り締めた。そしてはっきりと考えを告げる。
「私は今でも、あなたであるべきだったと思っています」