ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています


「試験が終わった時点では、間違いなくあなたが一番だった。成績も人格も、すべての面においてアルベルト様の花嫁となるにふさわしいと、妃教育における講師陣の意見は一致していた」


それならなぜと、ロザンナは顔を強張らせる。メロディはその思いに受け止め、真剣に向き合う。


「胸を張ってみんなであなたを推すはずだったのに、……国王様方の御前で意見を述べる時、私以外の講師たちが意見を翻したの。私の声はあまりにも小さくて、マリン・アーヴィングを推すことが講師陣の総意とされてしまった」

「……マリン・アーヴィング」


その名を繰り返すと、マリン本人だけでなく彼女の父であるアーヴィング伯爵の顔まで思い浮かぶ。

意見を翻した原因にアーヴィング伯爵が関わっていたとしたら。そう考えるも、雑念を追い払うようにロザンナは軽く首を横に振った。


「実際、マリンは優秀でしたもの。妻として立派にアルベルト様を支えていくと思います」


メロディは耐えきれなくなったように視線を落とし、ロザンナの手をぎゅっと握り締めた。そしてはっきりと考えを告げる。


「私は今でも、あなたであるべきだったと思っています」


< 225 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop