ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
乗り切ったと思い込んですっかり油断していたが、もしかしたら生きるか死ぬかの分かれ道は、過酷ダンスではなく今なのかもしれない。
そう考えた途端、自分が立っている場所が急に怖くなる。常々急だと感じていた大階段の上。ここから落ちでもしたら……。
「手っ、手を離してください!」
距離をおきたい。その一心でロザンナは自分の腕を掴むマリンの手を振りほどこうとするもなかなか離れず、焦りと恐怖が膨らみだす。
「いずれ、二番目三番目と妃が迎えられるのは覚悟の上。けれどどうしてもあなただけは嫌。正妃は私、アルベルト様からの寵愛を受けるのも私です!」
振り払えないどころか、爪が食い込むほどの力で両手で両腕を掴まれてしまい、ロザンナの動きも制御される。そのまま憤りをぶつけるかのごとく、マリンがロザンナを揺さぶりにかかった。
「やめてください! お願いです、マリンさん!」
「早くいなくなって。私とアルベルト様の目の前から、今すぐに!」