ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
鞘から下がっているクリスタルチャームは紫色だった。すぐに騎士団員はアルベルトのそばをすっと離れ、音もなく姿を消す。
「クリスタルチャームが紫色でしたね」
「紫色を持っているのは、俺が信頼を置いている仲間だ。無愛想な奴らばかりだが怖がる必要はない」
「わかりました。……それより、何か良い報告でも?」
「あぁ。ここからが本番だ。気を引き締めてかからねば」
嬉し気に微笑む口元から飛び出したアルベルトのひと言を、自分自身にも置き換えて、気を引き締めねばとロザンナは気持ちを改めた。
男子学生が大騒ぎしたり、魔法院のお偉いさんが挨拶しにきたりと心は落ち着かないが、アルベルトがそばにいる心強さからか特に不安になることもなく、あっという間に時間は過ぎていく。
学生たちが退場すると、国王夫妻とスコットが大広間を後にする。
続けて学長を見送り、ロザンナは片付けのために残っている学生たちを見つめながらぽつりと呟いた。
「そろそろ私たちも退場した方が?」
「そうだな。俺たちがいては片付けを始められないだろうし。ロザンナも何も食べていないからお腹が空いただろう?」