ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
喉に詰まらせて死にたくないから何も口にしなかったとはさすがに言えず、ロザンナは苦笑いを浮かべる。
「寮の部屋まで送って行こう」
「ありがとうございます!」
ひとりで部屋まで戻るのを不安に感じていたため、ロザンナはアルベルトの申し出をありがたく受けた。
たとえ何か起きても、彼が一緒なら手遅れになる前になんとかしてくれるだろう。
「来年からは、行き帰りずっと一緒だ。ロザンナも城に住んでもらうことになる」
「ほ、本当ですか?」
来年も寮で生活するとばかり思っていたため驚いてしまったが、記憶の中のマリンは卒業後に婚約者として城に入っていた。
学生を続けても、そこは変わらないのだろう。
そうなると、途端に気恥ずかしさがこみ上げてくる。今よりも断然アルベルトと過ごす時間が多くなるのだ。
頬を赤らめたままアルベルトと学生たちへ挨拶をし、最後にこの場の責任者らしき男性教師と言葉を交わしたのち、ふたり揃って廊下に出た。
「飾ってあった花をロザンナの部屋にも運ぶよう言っておいた」
「わかりました。楽しみにしています」
ロザンナはアルベルトと言葉を交わしながら、廊下に視線を走らせる。