ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
アーヴィング伯爵の半笑いでの口上に、アルベルトは冷笑する。
「すまないが、あなたの娘は好きになれない」
「つれないお方だ。娘があんなにあなたを好いていて、私もあなたの舅となれるのを楽しみにしていたというのに。王位を継がれた暁には、培ってきた我が人脈が大きな力となったでしょうに。もったいない」
そこで伯爵は「ああでも」と顎に手をあて、考えるような仕草を挟んだ。
「まぁ別の方法もありますな。私を宰相に推してください。はっきり言わせてもらうが、今の宰相は無能すぎる。国を良くしたいと望むなら、私に変えるべきだ」
「なんてことを! 訂正しなさい!」
父を侮辱されロザンナが声を荒げるも、アーヴィング伯爵は鬱陶しそうに顔をしかめるだけ。
その態度が頭にきて掴みかかろうとしたロザンナをアルベルトが制する。
「短気ですな。それでは王妃は務まりますまい。結局、父親だけでなく娘も上に立つ器ではない。アルベルト様は先の選択の誤りを認め、正してあげるべきです。身の丈に合わない場所にしがみついていたら、遅かれ早かれエストリーナ家は破滅しますよ」
腹立たしくてたまらない。