ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

ドクッと、ロザンナの鼓動が重々しく響いた。二年前で思い浮かぶのは、両親が襲われた事件だ。


「はて。何のことでしょう」

「先日捕らえたお前の手下が、やっと白状したよ。エストリーナ夫妻を襲ったのは自分だと。そしてそれを指示したのはアーヴィング伯爵、あなただと」


やはりアーヴィング伯爵が関わっていた。絶対に許せない。

怒りで我を忘れそうになった瞬間、伯爵が上着の内側から短剣を取り出すのを目にし、一気に心が恐怖で埋め尽くされていく。

九回目は娘、十回目ではその父親。手にしているその剣がこの人生での死因につながっていたとしてもおかしくない。


「アルベルト様!」


ロザンナはありったけの声で彼の名を叫んだ。

自分が傷つき倒れるならまだしも、彼を巻き込むわけにはいかない。

そう考えて駆け寄ろうとしたが、アルベルトはアーヴィング伯爵の攻撃を難なく避けて、逆にその手から短剣を叩き落とした。

見事な動きでアルベルトが伯爵を取り押さえた時、まだ大広間に残っていた騎士団員数人が騒ぎに気付いて廊下に飛び出してきた。

アルベルトは騎士団員に「連れて行け」とひと言命ずる。

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