ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

スコットが持ってきたのは、「私と共にロザンナもアルベルト王子の誕生日パーティーにお呼ばれされたよ」という話だ。

とうとう来てしまったかと思わずロザンナがため息をつくと、スコットは慌てて言葉を続ける。


「そんなに不安そうな顔をしないでおくれ。ロザンナは私の隣にいるだけで良い。いつも通りニコニコしていたら、それだけで合格だ」

「合格? 王子様の誕生日パーティーで、何か優劣が付けられるのですか?」

「えっ。ゆ、優劣だなんてそんなことあるわけないじゃないか。間違えただけだ。合格ではなく、ご、ご、……ご機嫌、そう、ご機嫌だ。え、誰が? うん。私がだな」


ロザンナが鋭く問いかけると、スコットはぎくりとした。誤魔化しの言葉を並べ出すが、最後は訳が分からなくなってしまったらしく自問自答でしめた。

もし選ばれなかったら悲しい思いをさせてしまうと、スコットは決定の通知が届くまで隠し通すのだが、ロザンナはすでに誕生日パーティーが花嫁候補を選ぶための場であるのを知っている。

だから五回目の人生では、我がままを貫いて誕生日パーティーに参加しなかったのだ。

< 35 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop