ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
思惑通り花嫁候補に選ばれずに済んだが、後々兄から、父はロザンナが王子の花嫁なるのを望んでいたため、候補にすら選ばれずひどく気落ちしていたこと、そして意に反し、宰相は自分の娘を王子の花嫁にしたくなかったのではと城内で嫌な噂が立ち、肩身の狭い思いをしていたと聞かされ、失敗したと後悔したのだ。
アルベルトに会わずに済むならそうしたいというのが本音なのだけれど、父に迷惑はかけられない。だから参加する。
「わかりました。……でも、王子様とお会いするのは初めてで、おまけに人の多い場はあまり得意じゃありませんのでニコニコ笑えないかもしれません。大目に見てくださいね」
ロザンナが微笑んで答えると、「その微笑みだけでもう十分だ」とスコットが表情を輝かせる。
そして「おごったところがなく誠実で優しくて、おまけに美青年。彼に嫁いだら幸せにしてもらえること間違いない」とアルベルト王子の宣伝を始めたため、ロザンナは真顔でそれを聞き続けた。
そんなやり取りからちょうど四十日後、迎えたアルベルトの誕生日。ロザンナはスコット共に、時間通りに城へとやってきた。