ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

門前広場で馬車をおりると、すぐさまやってきた侍女と挨拶を交わす。そのまま門を通り抜け、庭園広場から回廊へと歩を進めていく。

アルベルトの誕生日パーティーは敷地の外れに建つ別館で行われるため、そこまで少し距離がある。


「水色のドレスがとてもよくお似合いですよ。噂にはお聞きしていましたが、本当に可愛らしい方ですね」


道中、侍女に褒められ、ロザンナは「ありがとうございます」とはにかむも、そこにスコットが満面の笑みで割り込んでくる。


「そうなんですよ。うちの娘は本当に可愛らしくて。今日なんてまさに天使のようでしょ?」


「えぇ、とっても」と侍女が微笑んで同意した途端、スコットは「自慢の娘でね」とロザンナがどれだけ可愛いかを熱弁し始めた。

すかさずロザンナが「やめて、お父様」と冷静に言い放つと、侍女の笑顔が徐々に苦笑いへと変化していった。

回廊から庭園へと外れ、低木に挟まれできたレンガの小道を進んでいく。

途中で現れた脇道にそれたくなる好奇心を必死に抑えて、ロザンナはふたりに続いて進んでいく。

そこから程なくして別館に到着する。

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