ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

玄関口には同じようにお呼ばれされた多くの人の姿があった。大抵は両親と娘の三人。もしくはロザンナのように父娘の二人連れだ。

同年代の娘たちに目を向けながら、その幼さにロザンナは小さく微笑む。ここにいる何人かは五年後に花嫁候補としてアカデミーで顔を合わせることになるのだ。

父と共に挨拶を交わしながら、館の中へと足を踏み入れる。

大広間もすでにたくさんの人で溢れかえっていたが、いくら目で探してもその中にルイーズらしき姿は見つけられず、ロザンナは嘆息する。

アカデミーで聞いた話によると、ルイーズが王宮に呼ばれたのは約三ヶ月後の王妃主催のダンスパーティーで、どうやら二回に分けて婚約者候補の選定が行われていたようなのだ。

この誕生日パーティーで彼女と出会えていたら、きっと長年の友人となれていたはずで、毎回のことながらロザンナはとても残念な気持ちになった。

会いたい人には会えないが、待ち望んでいない人とはここで最初の顔合わせとなる。


「これはこれは宰相殿。なかなか姿が見えないので、参加されないのかと思っておりましたよ」


言葉をかわす度、ロザンナの容姿を褒められすっかり浮かれていたスコットだったが、意地の悪さまで伝わるような口調で声がかけられた瞬間、すっと顔から笑みが消え、姿勢を正しながら振り返る。

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