ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
幼い時から本当に綺麗な顔よねとロザンナはついつい魅入っていたが、アルベルトと目が合ってしまい、なんとなく気まずくなり顔を俯かせた。
「あぁ、紹介が遅れました。私の娘のロザンナです」
父から自慢げに紹介され、ロザンナは慌ててスカートを掴み、敬意を表すべく先ほどよりも深く膝を曲げて挨拶をした。
そこで黙り込んだため、父から何か喋るようにと横からさりげなく肘で腕を突かれ、ロザンナは渋面になる。
特に喋ることない。困っていると、アルベルトが口を開いた。
「スコットから話は聞いていましたが、本当に可愛らしい方ですね」
「……お、恐れ入ります」
「そうでしょう! しかも、ロザンナは可愛いだけじゃないんですよ」
ロザンナの消え入りそうな声はスコットの舞い上がった叫びにかき消される。
「今度ゆっくりお話しできる機会をいただけたら喜ばしい限りです」
続けてのお願いは声をひそめてこっそりと、そして最後にスコットはアルベルトへ茶目っ気たっぷりに微笑みかけた。
そんなスコットの気安い態度にロザンナはひやりとするも、アルベルトが無邪気に笑ったことで、あぁそうだったと思い出した。