183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
動悸はすっかり収まり、心に余裕ができると、仕方ないから恋人ごっこに付き合ってあげようかという気になる。
柊哉が言った台詞は、オフィスラブ漫画のひとこまだ。
若き俺様社長とウブな女性秘書の恋。
今、柊哉がしているように、社長が腕にヒロインを閉じ込め、口説いているシーンである。
それに対してヒロインは、こう言うのだ。
「そんな優しい言葉をかけないでください。我慢できなくなります。私は……社長が好きなんです!」
漫画では泣きながらの返事であったが、女優じゃないので、そこまでは演じられない。
それでも健気なヒロインを真似て、秘めた想いを一大決心で告げた……という演技をしてみた。
柊哉はなぜか驚いたように固まっている。
その頬が色づいて見えるのは、気のせいだろうか。
彼は漫画のヒロインの名ではなく、「真衣……」と呼びかけた。
口の端がゆっくりと嬉しげに弧を描こうとしているが、なにかに気づいたように動きを止めると、直後に眉を寄せた。
「俺、まだ社長じゃないぞ」
「知ってるよ。ほら、早く次の台詞言ってよ。せっかくのってあげたんだから」
「……忘れた」
柊哉が言った台詞は、オフィスラブ漫画のひとこまだ。
若き俺様社長とウブな女性秘書の恋。
今、柊哉がしているように、社長が腕にヒロインを閉じ込め、口説いているシーンである。
それに対してヒロインは、こう言うのだ。
「そんな優しい言葉をかけないでください。我慢できなくなります。私は……社長が好きなんです!」
漫画では泣きながらの返事であったが、女優じゃないので、そこまでは演じられない。
それでも健気なヒロインを真似て、秘めた想いを一大決心で告げた……という演技をしてみた。
柊哉はなぜか驚いたように固まっている。
その頬が色づいて見えるのは、気のせいだろうか。
彼は漫画のヒロインの名ではなく、「真衣……」と呼びかけた。
口の端がゆっくりと嬉しげに弧を描こうとしているが、なにかに気づいたように動きを止めると、直後に眉を寄せた。
「俺、まだ社長じゃないぞ」
「知ってるよ。ほら、早く次の台詞言ってよ。せっかくのってあげたんだから」
「……忘れた」