183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「私は長年苦しんできた。いくら努力しても、家族の評価や関心をみんな柊哉に持っていかれる。腹が立って仕方ないのよ。でもそれを決して口に出してはいけなかった。この家から出ていってと、何度言いたくなったことか!」

今まで溜めてきたものを一気に放出したかのような、響子の叫び。

その後はシンと静まり返る。

柊哉は覗いていた顔を引っ込めると、廊下の壁に背を預けて、音に出さずに深いため息をついた。

(わかっていたことだ。疎ましく思われていたことは……)

ショックを受けてはいないが、申し訳なさに胸が痛む。

長年姉を苦しめてきた自分が汚れているように感じ、思わず手のひらを見る。

(これ以上、姉さんを苦しめないためには、辞退した方がいいのだろうか。父さんに進言するか。俺はまだ早い。先に義兄さんに社長の椅子をと……)

そのような気持ちになりかけたら、沈黙を破るようにまた真衣の声がした。

「だから、どうしたっていうんですか」

柊哉は再び中を覗く。

響子の心の叫びを聞いても真衣はまだ怒りの中にいるようで、響子との距離を半歩詰めると、はっきりと間違いを指摘する。

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