183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「ありがとう。その言葉だけで充分、祝ってもらった気分になれた。実はさ……」

柊哉は明日も仕事だ。

今週中に片付けてしまいたい案件が三つと、夕方からは斎藤常務に誘われて会食予定である。

おそらく平日と変わらないタイムスケジュールとなり、帰宅は遅いと思われた。

「誕生日会はできないんだ。悪いな」

事情を話して謝れば、「そっか。わかった」と、無表情であっさりとした返事をされる。

落ち込んでいるのでも怒っているのでもないようだが、いつもはわかりやすい真衣の感情が読み取れず、柊哉は不安になる。

(傷ついてはいないようだが……なにを考えている? 真衣の気持ちがわからないと、どう対処していいのか。落ち着かない気分だ)

柊哉が顔を曇らせたら、パソコン画面を見つめる啓介が口を挟んだ。

「明日の会食、日曜に変更したから。今、斎藤常務から返事がきて、構わないとさ」

「は? おい、ひと言相談してからにしろよ。斎藤常務に失礼だろ」

「それくらいの方がいい。あの人、この前の会議で真っ先に賛成の声をあげたことで、お前に恩を売る気だぞ。下手に出ては駄目だ。お前の方が立場が上だとわからせたい」

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