183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
卒業して一流商社に勤め、いつか君を迎えにいく……と書かれた勲の手紙に、絹代は胸を熱くしていたという。
ところが、一大事が起きる。
高等女学院を卒業する前に、絹代の結婚が決まってしまったのだ。
相手は大企業の御曹司で、悪い虫がつかないうちにと父親が決めたことであった。
勲は絹代に駆け落ちを持ち掛ける。
自分は学校を辞める。しばらくは貧乏暮らしをさせると思うが、一生懸命に働くから、遠くでふたりで生きようと。
絹代もそれを承諾し、日時と場所を決め、いよいよ決行の日になる。
深夜の約束の場所で、勲は絹代を待った。
しかし、朝日が昇る時刻になっても絹代は現れなかったという話であった。
「えっ……そんな終わり方?」
思わず真衣は、眉をひそめて絹代を見る。
あまりにも祖父が可哀想ではないかと思って。
すると絹代が当時を思い出したかのように、切なげに微笑む。
「行けなかったのよ。勲さんの将来を潰すことは、私にはできなかった」
「絹ちゃんの気持ちは、わかってるよ。あの時は、だいぶ落ち込んだがな……」
絹代は決して貧乏暮らしがしたくなくて勲を捨てたわけではなかった。
ところが、一大事が起きる。
高等女学院を卒業する前に、絹代の結婚が決まってしまったのだ。
相手は大企業の御曹司で、悪い虫がつかないうちにと父親が決めたことであった。
勲は絹代に駆け落ちを持ち掛ける。
自分は学校を辞める。しばらくは貧乏暮らしをさせると思うが、一生懸命に働くから、遠くでふたりで生きようと。
絹代もそれを承諾し、日時と場所を決め、いよいよ決行の日になる。
深夜の約束の場所で、勲は絹代を待った。
しかし、朝日が昇る時刻になっても絹代は現れなかったという話であった。
「えっ……そんな終わり方?」
思わず真衣は、眉をひそめて絹代を見る。
あまりにも祖父が可哀想ではないかと思って。
すると絹代が当時を思い出したかのように、切なげに微笑む。
「行けなかったのよ。勲さんの将来を潰すことは、私にはできなかった」
「絹ちゃんの気持ちは、わかってるよ。あの時は、だいぶ落ち込んだがな……」
絹代は決して貧乏暮らしがしたくなくて勲を捨てたわけではなかった。