183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
社内では、若いながらに堂々と副社長業務をこなしているというのに、どうやら祖母にはめっぽう弱いらしい。

それで焦りの程度をグンと引き上げた真衣は、祖父に体ごと向き直って、まくし立てるように言う。

「私は結婚しないからね。会うだけでいいと言ったからついてきたのよ。何度も言うけど、この方は私の会社の副社長で――」

「同じ会社なのが困るというなら、真衣が辞めればいい。副社長の嫁なら将来は安泰だ。立派な伴侶を得られてよかったなぁ」

「おじいちゃん!」

勲には融通の利かない頑固なところがあるのを、真衣は今、思い出していた。

小学生の頃の夏休み、従姉と妹の三人で祖父の家に泊まりに行き、話が尽きないので今日だけ特別に夜更かしを許してほしいとお願いしたことがあった。

可愛い小学生の女の子三人に、指を組み合わせて迫られても、勲の答えは『子供は早く寝ろ』の一点張り。

『寝ないと、明日のおやつに冷やしてあるメロンを食わせてやらんぞ』と脅され、二十時半に布団に入れられたのだ。

世間一般的に祖父というものは孫に甘いと聞くけれど、勲に関しては当てはまらない。

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