183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「真衣じゃなくて、あいつが気にするかどうかが心配で……」
やっとトンカツにソースをかけた和美は、独り言のようにボソボソと話した。
「あいつって?」
真衣が問うと、和美はハッとしたように顔を上げて、「なんでもない」とごまかした。
「揚げたて美味しい。ひと切れあげようか?」
「いらないよ。一昨日の夕食にトンカツ作ったから」
「平日の夕食に揚げ物するなんて偉いね。副社長に食べさせるためか。契約結婚って、どんな生活なのか気になる……あ、メールだ」
テーブルの端に置いていた和美のスマホが震えていた。
メッセージアプリを開いて確認し、手早く返信した和美は、先ほどと同じように顔を曇らせてから、気を取り直したように口角を上げて言う。
「亮からだった。ランチ一緒に行こうって。ちょっと遅かったね。断ったよ」
小林亮は、営業部に所属する二十八歳の男性社員だ。
同期入社のよしみで時々ランチを共にしたり、飲みにも行ったりする友人付き合いをしている。
営業部の社員は日々外回りをし、その合間に外出先の近くで昼休憩を取ることが多いと聞くが、今日の亮は、この時間に帰社したらしい。
やっとトンカツにソースをかけた和美は、独り言のようにボソボソと話した。
「あいつって?」
真衣が問うと、和美はハッとしたように顔を上げて、「なんでもない」とごまかした。
「揚げたて美味しい。ひと切れあげようか?」
「いらないよ。一昨日の夕食にトンカツ作ったから」
「平日の夕食に揚げ物するなんて偉いね。副社長に食べさせるためか。契約結婚って、どんな生活なのか気になる……あ、メールだ」
テーブルの端に置いていた和美のスマホが震えていた。
メッセージアプリを開いて確認し、手早く返信した和美は、先ほどと同じように顔を曇らせてから、気を取り直したように口角を上げて言う。
「亮からだった。ランチ一緒に行こうって。ちょっと遅かったね。断ったよ」
小林亮は、営業部に所属する二十八歳の男性社員だ。
同期入社のよしみで時々ランチを共にしたり、飲みにも行ったりする友人付き合いをしている。
営業部の社員は日々外回りをし、その合間に外出先の近くで昼休憩を取ることが多いと聞くが、今日の亮は、この時間に帰社したらしい。